[著者:師走トオル/イラスト:光崎瑠衣/富士見ファンタジア文庫]★★
毅然とした態度で、確固たる信念を言葉に込めて、敵将ジェレイドと堂々渡り合うクラウディアの存在感から目が離せない。一歩間違えば誰かが斬殺されかねない緊張した場であっても、クラウディアの勇姿に見惚れずにはいられない。他にも見逃せない点は幾つかあったけれど、今回はタイトルが示す通りの『王女勇躍』……これに尽きるだろうなぁ。
ただ、ここで見惚れて満足してはいられない、って所が極めて厳しい現状。北の敵国レアニール連合の動向も気になれば、事を起こしたクラウディアとアレスに対しての今後の王国側の扱い方も気になるし、ジェレイドが仕掛けた“最悪の謀略”と自らが謳う第二、第三の謀略の詳細も非常に気になる所。
火の国、風の国物語(5)
posted with ヨメレバ
師走トオル 富士見書房 2008年11月