[著者:九岡望/イラスト:吟/アスキー・メディアワークス 電撃文庫]★★★

エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫)

エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫)

 第18回電撃小説大賞『大賞』受賞作。
 九曜は元人間だけど今は戦闘兵器という括りで、
最初は本当に機械としての反応しかなかったんだけ
ど、叶葉と触れ合う事で本当は根底にあった人間味
を僅かずつ取り戻して行く。こういう所の描き方が
素晴らしいと思いました。特に九曜の戸惑いや葛藤
など、迷いが生じた時の表現が実に良いんだなぁ。
 また、竜胆との戦闘も終盤に凝縮して一気に畳み
掛ける展開で凄く良かったです。竜胆はここで退場
してしまうのが惜しいキャラですね。過去の九曜や
他の『鬼虫』達との話とかは色々引き出しがありそ
うなので、いずれ語られる事になるでしょうか。