緋剣のバリアント

[著者:小山タケル/イラスト:マニャ子/富士見ファンタジア文庫]★★

緋剣のバリアント (富士見ファンタジア文庫)

緋剣のバリアント (富士見ファンタジア文庫)

 第24回前期ファンタジア大賞『銀賞』受賞作。
 世界にたった七本しか存在しない、世界の根幹を
担う巨木『霊樹』。『霊樹師』の少女ニキは、霊樹
との意思疎通を図る事で、霊樹の異変を察知し安寧
を護り続ける役割を担う。そんな彼女がとある霊樹
の異変を気に掛けている時に出逢ったのが、樹を伐
る事を生業とする『バリアント』のアークでした。
 樹を護るニキと、樹を伐り落とすアーク。全く正
反対の役割を持つ二人の関係を軸に物語は描かれて
行きます。霊樹信仰が非常に強い世界なので、表面
上はニキが正義でアークが諸悪のように映りますが、
そんな単純にはいかない複雑な事情が次々ニキに襲
い掛かり、生真面目で融通の利かない彼女の頭を悩
ませます。アークはそういう所に余計な茶々を入れ
てからかったり、かと思えば面倒臭がりながらも真
剣に励まして迷いを断ち切ってあげたり、この二人
の関係性が凄く良い感じですね。特に失態見せて恥
ずかしがるニキの反応にニヤニヤさせられました。
 次はまた別の霊樹の下に赴くのか、それとも国家
連合本部に戻るのが先か。霊樹信仰と人間信仰の教
会との対立も更に描かれるかも知れませんね。