[著者:賀東招二/イラスト:なかじまゆか/富士見ファンタジア文庫]★★
- 作者: 賀東招二,なかじまゆか
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2013/02/20
- メディア: 文庫
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もの凄く譲歩して良く言えば歴史情緒溢れる、身 も蓋もなく悪く言えば古臭くて寂れて退廃した、老 舗遊園地『甘城ブリリアントパーク』。自他共に認 める超絶ナルシストかつぼっちな可児江西也は、何 故か支配人として閉園寸前のテーマパークを立て直 す役割を担ってしまう。彼は2週間の期限で10万 人を来場させる、という無謀な挑戦に挑む事に……。 これは廃れた時代遅れなテーマパークの再生に挑 む物語。メインスタッフは『魔法の国』の出身らし く、マスコットキャラクター達は着ぐるみなどでは なく「中の人など居ない!」との事らしいです。 まず何が衝撃かって、このマスコット達の“くた びれた中年オヤジ感”ですよ。着ぐるみが居酒屋で 飲んだくれながら仕事の愚痴を零し合うって、何な んですかねこのシュールな絵図は。もう夢も希望も あったもんじゃないですが面白過ぎでしょう。 そんな感じでもっふる達の本性の衝撃度ばかり印 象に残ってしまいましたが、遊園地立て直しの方も 西也の反則技を犯してまでの奮闘を中心に充分楽し ませて貰えました。西也の便利なようで使い辛い能 力は、彼の性格から出し惜しみしてましたが、次は その能力を活かせる展開も見てみたいですね。