甘城ブリリアントパーク1

[著者:賀東招二/イラスト:なかじまゆか富士見ファンタジア文庫]★★

 もの凄く譲歩して良く言えば歴史情緒溢れる、身
も蓋もなく悪く言えば古臭くて寂れて退廃した、老
舗遊園地『甘城ブリリアントパーク』。自他共に認
める超絶ナルシストかつぼっちな可児江西也は、何
故か支配人として閉園寸前のテーマパークを立て直
す役割を担ってしまう。彼は2週間の期限で10万
人を来場させる、という無謀な挑戦に挑む事に……。
 これは廃れた時代遅れなテーマパークの再生に挑
む物語。メインスタッフは『魔法の国』の出身らし
く、マスコットキャラクター達は着ぐるみなどでは
なく「中の人など居ない!」との事らしいです。
 まず何が衝撃かって、このマスコット達の“くた
びれた中年オヤジ感”ですよ。着ぐるみが居酒屋で
飲んだくれながら仕事の愚痴を零し合うって、何な
んですかねこのシュールな絵図は。もう夢も希望も
あったもんじゃないですが面白過ぎでしょう。
 そんな感じでもっふる達の本性の衝撃度ばかり印
象に残ってしまいましたが、遊園地立て直しの方も
西也の反則技を犯してまでの奮闘を中心に充分楽し
ませて貰えました。西也の便利なようで使い辛い能
力は、彼の性格から出し惜しみしてましたが、次は
その能力を活かせる展開も見てみたいですね。