読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミス・ファーブルの蟲ノ荒園

読書感想

[著者:物草純平/イラスト:藤ちょこ/電撃文庫]★★

 ファーブル昆虫記のファーブルさんが女性化した
ヒロインのアンリ。読む前のイメージから、昆虫大
好きな彼女が作中で<蟲>と呼ばれる生命体を操り、
何らかの敵と戦うのだと思ってました。でも、蟲を
操るのは<裸蟲>と呼ばれる異形の敵対者側の方でし
たね。そんな裸蟲を迎え撃つのが、日本から舞台と
なるフランスへ漂流してきた主人公の慧太郎。護る
側の事情と敵対する存在の事情とに挟まれながら、
時に絶望に打ちひしがれ、時に絶大な信頼を寄せる
自分の力量を振るって裸蟲と戦って行きます。
 慧太郎と刃を交えた裸蟲のジョゼフは、人間達に
家族を虐殺された事への憎しみで動いてましたが、
敵であっても認めた相手には敬意を示す程に男気の
ある存在でした。ただ、裸蟲の組織《ブリュム・ド
・シャルール》は彼のような存在の方が少数派っぽ
い感じですね。蟲を好んで共存を望むアンリや、裸
蟲達を理解し説得し凶行を止めたい慧太郎と、裸蟲
の組織はまた真っ向からぶつかる予感がします。
 今回は蟲の存在や魔女の存在、それに慧太郎の左
目に宿る<蟲天の瞳>の存在についても謎が多く残さ
れたので、次は更に深い所まで見てみたいですね。