SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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グランクレスト戦記1 虹の魔女シルーカ

[著者:水野良/イラスト:深遊富士見ファンタジア文庫]★★

 とある大陸の物語。幅を利かせている二つの大組
織が統合される形で、大陸統一を成し得る証『皇帝
聖印(グランクレスト)』の授与が決定的となるそ
の直前。混沌から現れた異形の魔物によって、全て
の期待と希望は無に帰し、大陸間で君主達が爵位を
奪い合う戦乱の時代へ足を踏み入れる事となる。
 戦記モノの群像劇。登場する様々な人物が、色々
な所で主役を担ってゆくそうです。この作品では、
魔法師のシルーカと流浪の騎士テオが主役級の扱い
となってます。別の所では、例えば印象に残ってい
る人物でアイシェラやヴィラール公やマリーネなど
も主役として描かれたりするのかも知れませんね。
 物語の感触としては、シルーカが契約を結んだテ
オを君主として育て上げてゆくような印象がありま
した。ちょっと語弊があるかもですが、テオは基本
シルーカの言うがままに動いてましたからね。
 ただ、最後のテオの決断にはシルーカも入り込む
余地無しで驚かされ、同時に好感度も一気に上がり
ましたね。そこに至るまでの後半の敗北確実な篭城
戦は、攻防も駆け引きも非常に面白かったです。