ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン

[著者:宇野朴人/イラスト:竜徹・さんば挿電撃文庫]★★★

 隣接す帝国と共和国の戦争。その中心地へと望ま
ずに巻き込まれて行く、軍事訓練生の主人公・イク
タと彼を取り巻く仲間達の物語。イクタは“能ある
鷹は爪を隠す”タイプのようでいて、実際には包み
隠さずひけらかすタイプ。その全てが理に適ってい
るので、最初はその言動が酷く鼻に付いても結果的
に感心や賞賛しか出て来なくなってしまいます。も
う有無を言わせず捻じ伏せられる感じでした。
 ずっとイクタの知略に魅せられっ放しで、そこは
本当に読んでいて強く惹き込まれました。彼が事あ
る毎に口にしている『科学的に』が起点となってい
るのは間違い無い様ですが、科学の要素がまだ具体
的には描かれていないので、これからどう盛り込ま
れて行くのか気になる所です。アナライ博士が語っ
ている人工精霊も関係して来るんでしょうかね。
 物語の展開としては、最後に大きな爆弾が投げ込
まれました。イクタの進む先は地獄の道。いずれは
全く逆の存在であるヤトリとも道を違えそうで恐い
です。それでも、シャミーユ皇女と共にこの道程を
踏み進めるであろう続きが楽しみで仕方ないです。