SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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クロックワーク・プラネットI

[著者:榎宮祐・暇奈椿/イラスト:茨野/講談社ラノベ文庫]★★★

クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)

クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)

 唐突に前触れも無く訪れた地球の機能停止。完全
な滅亡=地球の死までのタイムリミットはおおよそ
100年。全人類が刻々と迫る確実な死を待つ中で、
ただ一人決定付けられた未来に抵抗したのが、後に
語り継がれる『Y』と呼ばれた時計技師。彼は地球
全体の機能を『歯車』で動かし再生させてやると言
い放つ。全人類が驚愕する中、有限実行で『Y』が
完璧に再稼動させて見せた地球は『時計仕掛けの惑
星(クロックワーク・プラネット)』と呼ばれる事
になる。それから一〇〇〇年経った後の物語。
 まず設定があまりに壮大で、しかも主人公達の行
動を通して途方も無い壮大さがしっかり表現されて
いて溜息が出てしまいました。実際には『Y』なる
人物や、歯車で噛み合った世界の構造の多くが謎に
包まれているのですが、今は「そういうものだ」と
思うしか無いです。そこは二人の超人、ナオトとマ
リーがいずれ解き明かしてくれるだろうと予感して
ます。今回みたいな歪みは他に沢山あるらしいので、
各地の不具合を修復しつつ、『Y』が描いた構造の
謎に近付いて行くような展開になりそうですね。