[著者:更伊俊介/イラスト:鍋島テツヒロ/ファミ通文庫]★★
- 作者: 更伊俊介,鍋島テツヒロ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/08/29
- メディア: 文庫
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
大人気作家、秋山忍こと夏野霧姫がストーカーさ れているらしい気配から始まった今回のお話。霧姫 が部屋を留守にしていた間に“本が一冊増えていた” 事が発覚。気付いた犬和人のお手柄でストーカー疑 惑の気配が確信に変わったわけですが、蔵書10万 冊近くあるのに良く違和感に気付けたなあと思わず にはいられませんでした。本が絡んだ時の和人の覚 醒っぷりは凄過ぎです。もしかしたら、霧姫の身の 危険に反応して感知能力が発動したのかも知れませ ん。相変わらずのハサミで切って切られての関係で すが、不意を突かれて相手を意識している所がお互 い明確に見えてますからね。和人の何気ない一言で 油断して隙を見せた時の霧姫は本当に可愛いです。 今回のメインである本増加とストーカー騒動の真 犯人の謎解き。元々登場人物が少数なのでミステリ 仕立てにはなっていませんが、真犯人が霧姫に仕掛 けた罠=『蛍星恋話』の扱いについては、伏線の張 り方が巧いなと思いました。「そこまでやるのか!?」 とも思いましたけど。前巻の和人妹と同様に、霧姫 との一騎打ちの方法が色々おかしく狂ってましたが、 傍で眺めてる分には実に面白いものでした。作家ら しい戦い方にして決着のつけ方なのでしょうかね。 既刊感想:1、2