[著者:上智一麻/イラスト:nauribon/MF文庫J]★★★
仮想領域のエリュシオン 002 ハイドランジア・ガーデン (MF文庫J)
- 作者: 上智一麻,nauribon
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2014/03/22
- メディア: 文庫
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天陵冬姫が主役の回。両親を亡くし、兄の大河と 引き離されて孤独に陥った彼女と、同じ鴉羽の施設 で出逢った少女・鴉羽紫緒との苦い思い出と再会の エピソードです。過去回想を見てると、冬姫が大河 にベタ甘なのが凄く理解出来ました。ここで描かれ ているのも多分孤独と寂しさの一端でしょうし、そ の上友達になれたと思っていた紫緒と傷心を負う様 な決別をしてしまっては、気を許せる存在に身を委 ねたくもなるってものですよ。元々冬姫は人見知り で人一倍寂しがりやな面があるみたいですからね。 大河と涙が絡んだ事でも余程でない限り積極的に 前には出ない冬姫ですが、一度切れた友達との絆を 繋ぐ為に一生懸命戦いました。逃げ出そうとする自 分との戦いであり、望まぬ相手との戦いであり、自 身の能力の限界との戦いでもあり、どの戦いもぐっ と来るものがあって見応えありで良かったですね。 大河と涙は脇役に徹しながらも、その言動は冬姫 を思い遣る気持ちに満ち溢れていて、こちらも印象 的でした。敵対した『天使』なる存在は謎に包まれ たままで、今後の動向と関わりが気になる所ですね。 既刊感想:1