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明日、今日の君に逢えなくても

読書感想

[著者:弥生志郎/イラスト:高野音彦MF文庫J]★★★

 多重人格障害に似た、『シノニム』という病気を
題材に用いた物語。シノニムとは、この物語の為に
作られた架空の病気です。その治療法は極めて非現
実的故に物語の中でしか起こり得ない事……だと理
解しつつも、病気の症状自体は現実でも有り得るか
も知れないと思わされる。不思議な感覚でした。
 病気なんてものは、何であれ即刻完治して欲しい
ものです。が、この物語の少女“達”に関しては、
現状維持でも構わないと思ってしまいました。世の
中を生きるのに割と融通が利くから、全ての人格を
ずっと残してあげたい、と願ってしまいました。
 喪失した悲壮感は意外とありませんでした。主人
格に自分達の分まで生きて欲しい、と彼女“達”自
身のメッセージが得られたお陰でしょうかね。