あのねこのまちあのねこのまち 壱

[著者:紫野一歩/イラスト:旅空/講談社ラノベ文庫]★★★

あのねこのまちあのねこのまち 壱 (講談社ラノベ文庫)

あのねこのまちあのねこのまち 壱 (講談社ラノベ文庫)

 第6回講談社ラノベチャレンジカップ『大賞』受賞作。

 何気なく日常から切り離された異界へ迷い込んで、
最初はちょっとした出逢いで、ちょっとした関わり
で終わる筈だったのに……。よくよく思い返してみ
ると、ただの人間の幸一が猫又のフミと何時の間に
か関係を深めている状況は、ちょっと不思議な感じ
でしたね。切っ掛けはあれども、特に幸一がそれ以
上フミに深入りする理由も事情も無かった訳で。
 だから最後のフミに対する幸一の覚悟に、正直な
所「何で幸一がそこまでするのか……」って気持ち
はありましたね。だってこの後に続いてゆく幸一の
生き方を思うと……ねえ。ただ、理屈じゃなくて単
純に幸一からフミへ放たれた一言の想いが答えだっ
たのだろうなと。そこは痛い程伝わって来ました。