召喚されすぎた最強勇者の再召喚

[著者:菊池九五/イラスト:カグユヅダッシュエックス文庫]★★★

 異世界召喚から現実世界への帰還まで、この一冊
で追体験を味わえる内容に仕上がっています。召喚
されてからの異世界体験よりも、主人公のアキトが
役割を終えてから帰還の時が訪れてしまう部分、こ
こを重視した描き方だったのが特に印象的でした。
 通算10回の異世界召喚も原因不明の“体質”と
割り切り、俺つえーな要素も軽くあっさり流されて
いました。対して、召喚された理由や帰還の条件に
ついてや、セリナの恋心とアキトとの触れ合いなど
は丁寧に描かれていて好感触でした。異世界人はい
ずれ帰還しなければならない運命を背負っていて、
そこには必ず誰かとの別れがある。終盤から結末ま
での二人のこのシーンはとても素敵なものでした。