- 作者: 境田吉孝
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/04/18
- メディア: 文庫
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負の感情を盛大に吐き出している狭山の一人称視
点で物語を追っていましたが、案外ゲスな印象もク
ズな印象も、予想していたよりはそれ程でもなかっ
たです。ダメ人間なのは間違いないでしょうけど。
そもそも狭山自身の相談案件ではなく、彼以外の
問題ばかりだった影響もあったのかどうか分かりま
せんが、自虐や卑下や嫉妬を盛大に撒き散らしつつ
も結構客観的に物事を見ているじゃないか、と。
無理をして、苦痛を抱えてまで、好意を持たれる
ように振舞う生き方が徹底的に出来ない。狭山はそ
んな印象だったでしょうかねえ。黙って口閉じてり
ゃいいものを……って思ったんですけど、ぶちまけ
ずには生きて行けない性質なんでしょうきっと。