SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

勇者だけど歌唱スキルがゼロなせいで修羅場続きになっている

[著者:須崎正太郎/イラスト:希望つばめ角川スニーカー文庫]★★

 音痴を矯正する手段なんて、その気になれば幾ら
でも探せそうなもんですが。例えば魔法でそういう
類のものがあったりとか、その場凌ぎの誤魔化しと
か、有効なトレーニング方法とか。何でカラオケを
拒絶する為だけに勇者になる道を選んだのかねこの
男は。むしろそれで勇者になれた事の方が凄いわ。
 しかもこの勇者、かなりのクズでした。最初は音
痴を嘆く頼りない青年に見えていたのに、過去の恨
みで知人を衝動殺害(蘇生済み)するわ、カラオケ
撲滅の為に魔王と結託するわ、過去に飛んでカラオ
ケ開発者を脅して歴史を変えようとするわ、とんで
もねえ奴でしたよ。それでも呪縛から逃れられない
のは、カラオケに愛されていると言う事でしょう。