青春失格男と、ビタースイートキャット。

[著者:長友一馬/イラスト:いけや富士見ファンタジア文庫]★★

 第30回ファンタジア大賞『審査員特別賞』受賞作。

 最も恐怖を覚えたのは宮村花恋でした。進の変
態性癖と理々との歪んだ関係については、周囲に
徹底秘匿している状況でも物語の中では存分に曝
け出しているので、こちら側からもハッキリと見
えているし関係性も分かり易いんですね(進の性
癖自体は理解出来そうにありませんでしたが)。
 一方で、花恋は底知れない歪みを抱えている雰
囲気があるようでいて、全く内面が見通せません
でした。怖いと思ったのはその辺りが影響してい
たのかも知れません。終盤の自覚を持った上での
進の卑劣な行為に対し、それを何も物言わず全肯
定で受け入れるって、やっぱりどこかネジが外れ
て壊れているような、おぞましさはありました。