アマデウスの残り灯 無欲の不死者と退屈な悪神

[著者:志賀龍亮/イラスト:白味噌オーバーラップ文庫]★★★

アマデウスの残り灯 無欲の不死者と退屈な悪神 (オーバーラップ文庫)

アマデウスの残り灯 無欲の不死者と退屈な悪神 (オーバーラップ文庫)

 第4回オーバーラップ文庫大賞『特別賞』受賞作。

 物語のずっと後の方でカインとヨグの出逢いの
発端を知ってから、改めて冒頭での気心知れたや
り取りを眺めてみて、こんな風な雰囲気になるま
でどれだけの時間を二人旅に費やして来たんだろ
うか? そんな事がふと頭を過ったりしました。
 偶然に見出されたのか、それとも無意識の内に
曝け出されていた空虚な本心を悪神が見逃さなか
った故の必然か。ともあれ、一方でカインにとっ
ては酷く残酷の事のように見えながらも、別の側
面からは“空っぽの器に血肉が注がれた様に”本
心で渇望していた生を手に入れられたようにも見
える。どう捉えても死へ向かっているのは変わら
ないですが、是非最後まで見届けたいものです。