- 作者: 江波光則
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/12/18
- メディア: 文庫
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家族を惨殺された現場に居合わせられなかった事 を、こんな風に後悔してしまう白夜。本人もあまり 認めたくないながらも自覚しているように、相当歪 んでいる、と思わされる様相でした。暗殺術を体得 していながら、自分の意思では積極的に振るう事が 出来ず、黒曜に判断を振ってみる度にその弱さを指 摘されて、中途半端な曖昧さを滲ませてしまう。 白夜の生き方ってのは凄く興味を引かれるもので、 同時に「どうにでもなれ」的な投げやり気質な“脆 さ”に危機感も抱いてしまう。怨恨による復讐とは 違っていて、力を振るえなかった後悔を払拭したい かと言えばそこら辺も曖昧で、白夜自身が何を成し 遂げたいのか惑っている最中のような印象でした。