SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ ―弾丸魔法とゴースト・プログラム―

[著者:上川景/イラスト:TEDDY/富士見ファンタジア文庫]★★

 第31回ファンタジア大賞『大賞』受賞作。

 悪魔の弾丸の力を与える代わりにお前の全てを寄
越せ、と言う交換条件。終盤のエアの言動などに触
れてみた印象では、レインを躊躇いなく操り人形の
様に扱いそうでいて、その実窮地に追い込まれて尚
躊躇いを見せてしまう。正確には、これまでやむを
得ず散々強制力を行使して来た中で、初めて“無理
矢理傀儡にしなくていいかも知れない”相手に出逢
えた、それがレインだった、だから歯止めをかけて
しまった、と。レインが自主的に「俺を操れ」と望
んでも、エアが自身にそうはさせない、まだ出逢っ
て間もないですが、そんな関係性が続いて欲しい。
 あとはエピローグで不穏な空気が……彼女が介入
してきた事が物語にどう影響を及ぼすでしょうか。