SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

[著者:斜線堂有紀/イラスト:くっか/メディアワークス文庫]★★

 弥子の行く末と、江都の辿り着く先と、三億円の
行方と、大体この三つの結末をあれこれ想像巡らせ
ながら読んでいました。淀んだ空気、退廃した雰囲
気が全般的に流れていたので、あまり良い結末と言
うのが浮かび難くて。常軌を逸した母親の存在とか
途中の逃亡劇みたいなものを眺めながら、ある程度
精神的苦痛を伴う展開になるのも覚悟してました。
 結末に関しては、興味を抱いていたどれも良い意
味で予想とは違っていました。特に三億円相続は、
弥子が未来を見越してそうしてくれたのか、江都が
暴動に殺されないギリギリの線での結末だったと思
います。端数の意味は分からず仕舞いでしたが、江
都が言う様に解けない謎なのかも知れませんね。