SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去

[著者:園生凪/イラスト:黒田ヱリ/講談社ラノベ文庫]★★

夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去 (講談社ラノベ文庫)

夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去 (講談社ラノベ文庫)

 叶えられなかった夢を叶える為に見る夢。過去に
残した未練や後悔をやり直しの上で断ち切る為に体
験する夢。けれどもその実、直面する現実から大き
く目を背けたいが故の逃避。成功してから最初の内
はまだ何とも無かったのですが、徐々に告げられた
危険性がじわりと表面化して来るような感覚。颯の
日々の生活ぶりを眺めていて、いずれ夢に捕らわれ
てしまう、もしくは自分から夢への永住を望んでし
まうかも知れない、そんな危惧を抱いていました。
 夢への依存性が確実に増して行くに連れて、あま
り先を見たくない気持ちが強まってしまったりも。
結果的には背けていた筈の現実の繋がりがあったか
らこそ、颯はこの結末を迎える事が出来たのかな。