SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚

[著者:藍月要/イラスト:かわく/ファミ通文庫]★★★

十二歳の男の子と二十歳のお姉ちゃん
 おねショタ系って括りで良いんでしょうかね。見た目は凛々しく接しつつ、内面で激しく身悶えしてごろごろ転げ回るオルカお姉ちゃん。なにこの可愛い生き物。歌に惹かれ一目惚れした瞬間に、年下男子なレンに主導権を握られちゃいました(レンには全くその気は無くとも)。

“キリッ”な態度が誤解を生む
 レンの方もオルカお姉ちゃんが大好きで仲良くなりたいのに、ことごとく誤解を招く態度を取られてしまう。なので「嫌われてる」「避けられてる」とかレンの気持ちが沈む度に、「違うんだよ! そうじゃねえんだよっ!」叫びたくなる程にもどかしさが大爆発してしまいました。

息をもつかせぬ怒濤の展開
 魔物の津波『災魔流』が襲ってから先の終盤。一人立ち向かった魔物狩りに絶望的な状況を覆せるのか、オルカ達三姉妹は間に合うのか、クズの癖に強さで圧倒する相手に勝機はあるのか、そしてレンに【うたうたい】への覚醒は起こり得るのか。最後までどう転ぶか予断を許さない展開で、非常に読み応えがあって面白かったです。

続きは未定
 今後の売り上げ次第、との事。厳しい現実を突き付けられてしまいましたが、レンとオルカとのもどかしい関係や、【うたうたい】としてのレンの旅の行方などもまだまだ追ってみたいので、何とかここから続いて欲しいですね。