SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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筺底のエルピス4 ―廃棄未来―

[著者:オキシタケヒコ/イラスト:toi8/ガガガ文庫]★★★

最悪の最期
 中盤のこの章タイトルの意味が、どうか“最悪=エンブリオの最期”であってくれますように、と必死で願ってました。ホントにこいつ! もうホントに! 散々絶望を植え付けられて来たので、最期の瞬間はなんかもう良く分からん感情交じりになってました。

『捨環戦』の終着点
 最後の方まで「どうやったらケリが付くんだろう?」って考えさせられてましたが、ゲートを抜けてから一挙に答えが噴出しましたね。一体いつから、どこまで裏を読んで、ありとあらゆる可能性に対応策を講じて来たのか。あまりに想像を絶していて声も出ませんでした。

“二年と九十六日の後”の真相
 3巻冒頭で述べられていた通り、圭の名も、結の名も、叶の名も、確かにそこには存在しなかった。ただ、叶の記憶の中にだけ、この先生きて行く中で決して誰とも共有し分かり合える事が出来ないまま刻まれてしまった。

残酷な結末
 叶が取り戻したかった光景は確かにそこにあった。けれども、叶は救われていなかった。そこはもう叶の世界ではないから。叶だけが報われていない。相手は直ぐに気付いていたけれど、どう違う世界の“自分”と接して行くべきなのか。

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