[著者:オキシタケヒコ/イラスト:toi8/ガガガ文庫]★★★
捨環戦の後始末
阿黍が潜んでいた場所、“一万年を生きる”って「どうやって?」と疑問に思っていた謎が解けました。でも、そこまで徹底してやるって、根本の動機って何なんだろう? 鬼を殲滅する以外の何かを秘めているような……阿黍に関してはまだ語られてない部分も色々ありそう。カナエが救った世界
あの時、あの瞬間、無残に散った人達が、当たり前のように止まった筈の続きを生き続けている。本当はそうじゃないのに、“元通りになったように見える”のが辛い。全てを理解して「ここは私の居場所じゃない」と絶望に沈むカナエを見ているのが本当に辛かった。百刈圭が与えた“地獄”
カナエが最も目を背けたいものって何だろう? と考えて、圭だったら何を武器にカナエの奥底の心に届くように響かせるだろう? と考えて、何となく察せられました。圭じゃなければ出来ない事。物凄く彼女の事を理解しているじゃないか、と。ただ、そっちばかりに意識が向いていて、こっちの叶の事を思うと少し切なくなりますけどね。氏名
この世界にカナエの存在は正しくはまってはくれないし、元の世界の記憶は決して亡くさず生きていかなければならない。それでも、新しい氏名を与えられた事によって、ようやくこの世界に定着出来たような、よくやく“救われた”“報われた”ような、そんな気持ちになれました。筺底のエルピス(5)
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オキシ タケヒコ/toi8 小学館 2017年08月18日