SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず

[著者:石田リンネ/イラスト:Izumi/ビーズログ文庫]★★

ちょっと物覚えがいい
 の“ちょっと”とは、茉莉花基準でどれくらい“ちょっと”なんだ? と、ちょっと問い掛けたくなった。過去に期待を裏切ってしまった負い目、自身を過小評価で縮こまってしまっている、か。

超記憶力
 インプットが天才的、アウトプットが壊滅的。才能を伸ばす方向さえ間違えなければ、どんどん成長して行く。茉莉花が徐々に自信を持ち合わせて行く様子が際立っていて印象的でした。

女官と皇帝陛下
 最初から好意を抱いているのでも惹かれているのでもないので、まだ『身分違いの恋愛』という雰囲気ではないのかな? 互いに意識し合っているのは確かなので、どんな風に育ってゆくのか楽しみ。

晧茉莉花の官吏としての一生
 それこそが『茉莉花官吏伝』であり、白楼国の女性官吏の先駆けとして語り継がれて行く。こういう扱いにぐっと来ました。『茉莉花』がやがて『立身出世』の意味を持つようになる、と言う辺りも茉莉花の“象徴”が際立つ印象で凄く良いですよね。