SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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きのうの春で、君を待つ

[著者:八目迷/イラスト:くっか/ガガガ文庫]★★

ロールバック
 最初に『五日間』未来へ跳んで、その後に『一日進んで、二日戻る』を繰り返してスタート地点を目指す、かなり変則的なタイムリープもの。とは言え、基本同じタイミングでの時間跳躍の繰り返しなので、割とすんなり受け入れられました。

そのタイミングでの気付きが
 タイムリープ直後で何も分からなかった事が、一日進んで過去へタイムリープする直前に「そう言う事だったのか」と初めて分かる。この『気付き』の感覚がとても心地良く、徐々に全貌が明らかになる過程の描写がとても面白い。

もしもそのまま時が進んでいたら……をふと考える
 あかりには「何かある」とは思ってましたが……その場の感情を優先させていたら多分この結末には至れなかった。カナエがタイムリープを経験したからこそ、最後の最後の土壇場で、意思を変化させる事が出来たんじゃなかな。