[著者:糸森環/イラスト:Izumi/角川ビーンズ文庫]★★
『後回し』
八重の『自分は常にちょっとだけ“後回し”にされている』と言う、前世からずっと引き摺っている心の底に沈むもやもやが妙に印象に残る。前世と現世の感情の交錯
で、亜雷とのやり取りを見ていて、実は八重の方が自身の言いたい事=本音を出すのを『後回しにしている』のでは? だから巡り巡って後回しにされる、と言う思い込みに縛られてしまうのでは? ……と、話が進むに連れて、八重が怪異を治療する『医者』として頼られる程に苦悩するシーンが増えて行ったので、色々考えさせられてしまいましたね。全てを明かせる関係には至っていないけれども
まだ八重が言いたい事は全部言えてないし、亜雷に言って欲しい事も全部は言って貰えない。信用が満ち足りて全部が埋まる関係性こそが目指すべき所、なのでしょうかね。かくりよ神獣紀 異世界で、神様のお医者さんはじめます。(1)
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糸森 環/Izumi KADOKAWA 2020年04月28日