SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

底辺領主の勘違い英雄譚1 ~平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件~

[著者:馬路まんじ/イラスト:ファルまろ/オーバーラップ文庫]★★★

「どうしてこうなった?」と、いち読者は言いたい
 リゼって、本質は『領民に媚びて保身に走る頭の足りない下衆野郎』、だよね? 読めば読む程「なんで良い方へ進んで行くの?」と「なんで悪い方へ転げ落ちないの?」がごっちゃになって、何とも言えない物凄く奇妙な感覚に陥ってしまいました。

「どうしてこうなった?」と、主人公は言ってくれない
 リゼは本当に頭が弱いから、自分が如何に大それた事をやっているかをまるで理解していない。ただ、本当に自分の事しか考えてない浅知恵野郎だから「あれ、こんな筈では無かったんだが……」みたいな動揺を見せる事も一切無く、そこがリゼのとてつもない強みになっている(本人がそれを自覚してない所が質悪いのだけど)。自分の言動が原因で引き起こされた周囲の激変にも、全く動じてないですよね。