SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

最凶災厄の冒険者は一度死んでから人助けに奔走する

[著者:水辺野かわせみ/イラスト:はりもじ/TOブックス]

 異世界側からは想定外の、いわゆる『間違って召喚されちゃった』系の異世界召喚。主人公の僚は何の特殊能力も持たされず、ただ基礎体力値は規格外な為、努力して強くなって行くと言うものでした。

 が、この段階ではまだ物語の序章に過ぎず、タイトルにもあるように、僚自身に『災厄をもたらす存在』と嫌疑がかけられ、理不尽に抹殺されて“再度同世界に転生してしまう”所からが本当のスタートとなります。

 この展開は二段仕掛けとも言えるもので、意表を突かれる展開は強く印象に残るものでした。今後の展開の予想としては、シリューと名を変えた僚の能力特性、『生々流転』がもし転生の繰り返しを意味しているなら、もしかしたらそのような展開になって行くのかも知れません。

呪印の女剣士

[著者:はーみっと/イラスト:又市マタロー/TOブックス]

 『世界を破滅させた』として伝説となっている、呪印の剣士アルフィリース。彼女の死後1000年以上経った現在でも伝説として世界に影響を与える存在とは、一体どんなものだったのか? ……と言う冒頭から始まり、生前のアルフィリースと仲間達の『現在』を追いながら、彼女たちが抱える様々な『真相』を解き明かして行く物語です。

 異世界転移転生でもなろうテンプレでもない、シリアスで重厚な雰囲気で、世界観の壮大さを感じさせるファンタジー小説。キャラクター、世界設定、ストーリー展開、どれをも非常に丁寧に練り込まれていて読み応えも充分な印象でした。

 アルフィリースの出生と呪印の秘密、師匠に言われた場所を目指す事の意味、これまでと別種の異質な『魔王』の存在と増殖、魔王を『作成』している暗躍する者達の謎、現状で特に気になっているのはこの辺り。続きの進展に期待したいです。

異世界創造のすゝめ ~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る~

[著者:たまごかけキャンディー/イラスト:かれい/TOブックス]

 シミュレーションRPG系の『世界創造』をするゲームアプリで、創造主となって自分の作った世界に吸い込まれて冒険させられるお話。

 割と簡単に現世とゲーム世界を往復出来るので、創造主としての主人公・斉藤に課せられる攻略難度は低いです、まあゲーム世界において存在そのものがチートなのでね。

 興味深いのが、ゲーム内で戦闘経験を経て上がったレベル、取得したアイテムなどがそのまま現実世界へ持ち込める事。また、逆に現実世界からゲーム内へモノを持ち込む事も自由自在で、そのせいで影響を与え合って斉藤自身が結構混乱している所がなかなかに面白いです。

 ゲーム内でも現実でも問題を抱えさせられている状況で、互いの世界の問題が何か交わりを見せるのかどうか気になる所。あと、根本的な謎として『誰が何の為に斉藤にゲームアプリを与えたか?』と言う点。ここに関しては現状何も分かっていないようです。

異世界の貧乏農家に転生したので、レンガを作って城を建てることにしました

[著者:カンチェラーラ/イラスト:Riv/TOブックス]

 前世の記憶を持って赤ちゃんからスタートな異世界転生。主に土地開拓や農耕や飼育や建築などの創造系なチートで無双する物語。

 東京ドーム何個分の敷地を開拓とか言ってる時点で「3~8歳くらいの子供に出来る事じゃねえよ!」とかツッコミたくなる事、両指で数え切れないほど。だからこそのチートと言うべきものなのか……と無理矢理納得させました。

 主人公・アルスが森林伐採しまくって開拓している土地は、実は森林が属する村を治める近隣の貴族の所有するもので、本来好き勝手には出来ない事から騒動となる火種が勃発。この辺りに、“好きなようにお気楽開拓”とは行かない面白さが盛り込まれているなあと言う印象でした。

 アルスの能力と奇策によって、貴族との全面抗争の構図に。意外に事が大きくなっていて、ちょっとこの行く先にドキドキして来ました(主に不安によって)。

ギルド追放された雑用係の下剋上 ~超万能な生活スキルで世界最強~

[著者:夜桜ユノ/イラスト:もやし/TOブックス]


 戦闘を必要としない日常生活の中では『雑用スキル』が最強、というお話。主人公ティムの雑用スキルが超絶有能な事を理解していない無能なギルドが、彼を追放した事によってざまぁされる。まあこの辺はお約束事で、本作では多分おまけのようなもんです。

 本題は、ティムが雑用スキルをどの方向に伸ばして行って、彼自身はどんな事を為すべき目標として定めて行くのか、みたいな所だと思います。ティムの出自にはとんでもない“訳あり”が含まれていて、今は横に置かれた状態ですが、いずれ話が進めば向き合う事になるのかも知れません。

 断片的に得た情報から判断すると、どうもティムも向こう側も互いに関りは持ちたくないと思っている模様。現状は交わりのない離れた場所にいるので、とりあえず次巻へ唐突に続いてしまった貧民層の問題の行方が気になる所です。