[著者:三上延/イラスト:越島はぐ/メディアワークス文庫]
智恵子おばあちゃん、年月を重ねて大分いい年になった今でも得体の知れない雰囲気をまとってるのは相変わらずのようで。その空気を察してもなお、正面から臆せず向き合えていた高校生の扉子の度量、もしかしたら智恵子に関する事へ向き合う積極性は栞子さんにはないものかも知れない。
智恵子の存在が出来きた時点で、「どうせ事件の裏で何らに関わってるんだろうなあ」って事は疑う余地もなく、結局彼女にしか知り得ない真相の一端を煙に巻くようはぐらかしてくれる嫌らしさも表れていました。扉子が智恵子に抱いているのは畏怖とか興味とか、なのかな。
本と人の繋がりを介して事件の謎を解く事に興味を覚え始めている風にも見えて、その辺りはやはり危険に巻き込まれるかも知れない感じもあるんですよねえ。