SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

婚約破棄されてから聖女の力が覚醒したようです1

[著者:少年ユウシャ/イラスト:きさらぎゆり/オーバーラップ文庫]★★★

まるで現世に舞い降りた女神の化身の如く
 王族の婚姻問題。理不尽な婚約破棄。(敵対者が)悪役令嬢。無能でクズな王子殿下。そして、能力不能な『聖女』候補主人公の逆転劇ストーリー。

 この辺りの言語や要素に惹かれたり、好きな人には堪らない。分かり易くも面白い王道展開。なかなかの没入感で、スッと物語に惹き込まれていました。

 エミリーが劣勢な状況を覆して行く展開は、大体先読み出来る。ただ、そう言う予定調和な描き方をしていても、やっぱり面白かったですね。キャラクターの魅力の引き出し方、話の盛り上げ方、巧いなと思いました。終盤でのエミリーの命の行方や、その後の意外な展開なども印象的で。あとは、最後のリオン王子の扱いにもグッと来ましたね。

D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる1

[著者:白青虎猫/イラスト:りいちゅ/オーバーラップ文庫]★★

かつて勇者を目指した男と、性格に問題あり過ぎな少女達
 女の子達の性格が色々とヤバ過ぎ問題。主人公のジレイが、女の子達の『過剰な好意』から逃げ出したくなるようなお話。で、多分大体合ってます。

 『人の話を全く聞かない』『行き過ぎた妄想で好意が暴走』『他者への攻撃衝動に興奮を覚える』、など。もはや性格破綻者の域。まあ、元々は全部ジレイが無自覚に原因を作っているんですけど。

 ただ、レティもフィナもユーリも、ジレイの言動を勝手に『自分に都合のいい解釈』で捉えている。実はジレイの方に付きまとわれる心当たりは無いわけで、だから余計に扱いに困っている。必死で逃げようとしても、彼女達の捜索能力はずば抜けているから、逃げ延びるのは無理なんじゃないかな。

最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える2

[著者:じゃき/イラスト:fame/オーバーラップ文庫]★★★

話術に陥れられ、あるいは魅了され
 『最強の探索者』への道を、最速かつ最適の行動で、常に最大限の効果を上げながら、迷いなく突き進んで行く。今回は特に、ノエルの『人の心を揺さぶる会話術』が冴えに冴えまくっていました。

 戦闘面よりも、誰かを踏み台にしてのし上がって行くような知略謀略の面で、ノエルの話術士としての巧みさが際立っていました。これこそが「俺流の戦い方だ」、と周囲に見せ付けるかのように。

 実際に短期で『七星』に到達する為には、知名度と影響力と資金力を爆発的に上げなければならない。実現不可能を、目的の為に何が何でも可能にしてみせる。そんな決意に勢いや凄味がありましたよね。

既刊感想:

月50万もらっても生き甲斐のない隣のお姉さんに30万で雇われて「おかえり」って言うお仕事が楽しい2

[著者:黄波戸井ショウリ/イラスト:アサヒナヒカゲ/オーバーラップ文庫]★★

心に波風立てず、雇用関係に徹する
 半同棲生活(っぽい雇用関係)を始めて三ヶ月。松友とミオの間に恋愛感情の匂いがしない。全くと言っていい程、その匂いが漂って来ない。互いに意識するような様子や素振りさえ垣間見れない。

 松友の妹・裕夏襲来のごたごたはありましたが、距離感が全くブレずに安定している所は、ちょっと興味深いですよね。逆に言えば、これからいくらでも変化する可能性がある、と言う事なのかな。

 今の所は、意識的に雇用関係、仕事上の付き合いに徹している。特に松友の方は、『仕事』と割り切って、一定以上のミオのプライベートには踏み込もうとしない。その意思が揺らぐイメージは、全然湧いて来ませんが。本音は「変化を見たい」ですね。

既刊感想:

ひとりぼっちの異世界攻略 life.5 超越者と死神と自称最弱

[著者:五示正司/イラスト:榎丸さく/オーバーラップ文庫]★★

ブラジャー職人爆誕
 遥が女子達全員に、オーダーメイドなブラを作製してあげる。そこが今回のメインと言っても過言ではない。正確には、嬉恥ずかしな『一対一の直接採寸』のシーン。遥視点でのブラへのこだわりの強調、異様な描写の力の入れ具合。間違い無いです。

 一言「何やってんの」。まあ、いつもの『本心隠し』な遥のおちゃらけ。以前より、その様子が痛々しく感じなくなったのは、多分クラスメイト達に『頼る』事を覚えてくれたから。その変化は凄く良い傾向。精神壊す重荷が軽くなった事の証なので。

 王国の辺境地攻めに対しては、相変わらず『心底どうでもいい』態度。お偉いさん達が出張って来たので、次辺りで面倒事にも決着が付きそうかな。

既刊感想: