SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

りゅうおうのおしごと!14

[著者:白鳥士郎/イラスト:しらび/GA文庫]★

最終章
 銀子が到達した『初の女性プロ棋士誕生』の熱意が冷めやらぬまま、気持ちが定まらないまま、あまり居心地の良くない余韻を引き摺ったまま、の状況から。

 今回対局シーンそのものは、かなり控え目だった印象。コンピューターの利用や、人間とAIの頭脳比較の部分、八一と於鬼頭さんの対局などは、もうちょっとじっくり見たかった気もしましたけど。

 もっとも、八一や銀子の関係を始め、将棋との向き合い方や様々な人間関係を描く部分は、非常に見応えがありました。特に銀子とあいですね。終局に向かいつつある雰囲気は、確かに伝わって来ました。

既刊感想:10111213

家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです

[著者:kimimaro/イラスト:もきゅ/GA文庫]

謙虚で優しく相手を優先して考えられる良心の塊のような主人公
 周囲の人達がもれなく規格外の超優秀で、相対的に自分の能力や価値だけが酷く劣って見えてしまう現象。で、一旦その枠の中からを抜け出せた時に、初めて自分も実は規格外だったと気付かされる。

 ノア(ジーク)の場合は、姉達の能力値が常識だと散々叩き込まれて来たので、あまり自分が強いって自覚を抱かない。常に謙虚、でもそんな態度にも嫌味が一切ない。関わった先輩冒険者やギルド職員、依頼主達の事を常に優先して行動しているから、自然と皆から好かれるのも分かるなあって感じです。

泥酔彼女 「弟クンだいしゅきー」「帰れ」

[著者:串木野たんぼ/イラスト:加川壱互/GA文庫]

彼女にとっての泥酔の必要性
 七瀬の酒好きの程度が、アルコール依存症レベルでちょっと心配だわ。まだ二十歳でしょ(確か)。一体何が切っ掛けでこんな酒好きになったのやら。先輩の雫の酒好きの影響をもろに受けた、とか?

 でも、穂澄にはどうする事も出来ないしねえ。「飲むな」と言って聞く相手だったら、そもそも穂澄はこんな気苦労背負ってないし。

 しかも七瀬にとって、役者として『酒飲み』が『必要な事』と発覚したから、余計に止め難くなってしまったし。でも、変えて行かないと役者を続け辛くなるのは確実だし、どう扱う事になるのかなあ。

信じてくれ!俺は転生賢者なんだ ~復活した魔王様、なぜか記憶が混濁してるんですけど!?~

[著者:サトウとシオ/イラスト:ななせめるち/GA文庫]

何故彼は賢者と思い込んでしまったのだろうか?
 何故、サシャ以外の誰もがアルトの前世が魔王だと疑惑の目を向けないんだ! こんな露骨に思わせぶりなヒントを振り撒いていると言うのに! いやあ、周囲の人達がポンコツだったり察しが悪かったりで、思わず力説したくなっちゃいましたよね。

 まあでも、アルト自身が超絶自信満々に「俺の前世は賢者だ!」と言い切っていて、誰も否定する材料を持ってなかったですからね。仕方ないのか。雰囲気と勢いだけで、事実を作り上げるって凄いな。

幼なじみが絶対に負けないラブコメ6

[著者:二丸修一/イラスト:しぐれうい/電撃文庫]

末晴と真理愛
 満を持しての真理愛メイン回。黒羽と白草の後発キャラ故の『出遅れた感』を、一挙に巻き返す為に用意されたようなシナリオ。末晴の『妹』から『恋人候補』へ成り上がるべくの、かなりガッツリと真理愛単独イベントの雰囲気が濃い目な内容でした。

 今回の演劇勝負で、黒羽と白草は早い段階でレースを降りたわけですが。それぞれに末晴争奪を意識した、感情と打算とが入り混じった行為だった、と言う所は「さすが」と唸らされました。黒羽は『計算』、白草は『素』でやってたようですが、自然とやってのける白草の方により脅威を感じましたね。

既刊感想: