SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

竜歌の巫女と二度目の誓い2 薬を探す子供

[著者:アマサカナタ/イラスト:KeG/GA文庫]★

二組の人間と竜、過去から現在へ抱え続けた想い
 ギルバートもルゼも、お互いに相手の事を大切に想い過ぎるが故に、『自己犠牲』な行動を起こしてしまいがち。それは、大切な人が12年前に負った心の傷が、全て自分の責任だと言う罪を背負い続けているから。今度は「自分が護りたい」「支えになりたい」って気持ちが、強過ぎてしまうから。

 12年の時間を埋めるには、もっと基本的で根本的な、大切なその人の事を深く理解して行かなければならない。何も分かっていなかった、と互いに思い知らされる。でも、もう気付けたから、あとは時間が解決してくれる。心配はいらないですよね。

既刊感想:

僕の軍師は、スカートが短すぎる2 ~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下

[著者:七条剛/イラスト:パルプピロシ/GA文庫]

 史樹って、自分が抱えている仕事が危機的状況にあっても、あんまり動じないと言うか。全然慌てないし焦らないし取り乱さないし。割と冷静沈着な思考と感情で直面した問題に対応してますよね。

 前はどうだったかは定かでないですけど、やっぱり大軍師・穂春様の安定した後ろ盾があるから、史樹もそんな風に振舞えるのかなあ。今回も、最初から既に結末の着地点が見えていたような、超絶先読み思考の立ち回り。思わず震えが走りました。

既刊感想:

電撃コラボレーション フユコイ ‐彼女たちの言えない事情‐

[著者:岩田洋季・上月司・御影瑛路・時雨沢恵一/イラスト:そと・櫻木けい・黒銀・霜月えいと/電撃文庫]

 『電撃文庫MAGAZINE』での掲載企画を、電子書籍配信限定でまとめた作品。各担当作家ごとに、それぞれのヒロインが抱える『秘密の事情』をテーマにした、中編エピソードが描かれています。

 また、全話で舞台背景が共通の設定で、特に学校で同じクラス同士の繋がりなどは、エピソード間の色々な場面で見る事が出来て興味深い所。

 各話の男子達の視点と共に、深く関わるヒロイン達の謎や秘密を気にしながら追い掛けて行く展開。個人的には1話目『ゆきのはな』が一番好みでした。

ヒロインレースはもうやめませんか?2 ~新ヒロイン排除同盟~

[著者:旭蓑雄/イラスト:Ixy/電撃文庫]

 むつきもしおりも萌絵も、錬太郎と結ばれたいが為に、自分以外の全員を蹴落としたいと思っている。なので、新ヒロインを警戒して突発的な同盟なんぞ立ち上げた所で、破綻するのは目に見えていた。

 『自分達からは告白禁止』って妙な制約を課しているのが、やっぱり三人共に足枷になっている。どうしても錬太郎を譲れない気持ちはよーく分かるんですけどね。錬太郎の方から選べない限り、争奪レースの果てに待つのは結局『共倒れ』だよなあ。

既刊感想:

神角技巧と11人の破壊者 下 想いの章

[著者:鎌池和馬/イラスト:田畑壽之/電撃文庫]

 神角技巧の使役者、全員出揃う。そして、殲滅爆弾を仕掛け続ける『11人目の真犯人』の行方を追う展開も大詰め。まず、下巻は使役者の内の誰が真犯人かに注目が集まり、その先で判明した相手にどう立ち向かうか、の流れで結末まで描かれていました。

 最終的にモノを言うのは、神角技巧の優劣とかではなく、使役者の意志の強さ。最悪の絶望に何度打ちひしがれても決して折れない、ミヤビの内の『強さ』を最後の最後まで見せて貰う事が出来ました。

既刊感想: