SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

フラれてから始まるラブコメ

[著者:金木犀/イラスト:きのこ姫/富士見ファンタジア文庫]

 ワケありフラれで元カノを吹っ切れず、傷心の内に別方向から身に覚えのない好意を向けられ、でもやっぱり元カノが忘れられなくて悶々。過去の事件の事情が判明するまでは、もやもや感情が抜けずに続く。引き摺り傾向な春人の性格面も影響してるんですが、結構「しんどいなあ」ってなってました。

 元カノ・千尋との件は、結局腹を割った付き合いが出来なかった事が敗因。ただ、当時の春人が抱える事情を思うと、そう簡単に行かない部分もあるんですよねえ。一応わだかまりは解けたけど、あかりを絡めての今後の付き合いはどうなるでしょうね。

武装メイドに魔法は要らない

[著者:忍野佐輔/イラスト:大熊まい/富士見ファンタジア文庫]

 元の世界のどこかの戦争地帯で軍人やってたらしい女性・マリナが、命を落として異世界に召喚される。召喚主との契約で、密かに憧れを抱いていた『武装メイド』にクラスチェンジ。異世界には存在しない多種多様な『銃器』をぶっ放して戦って行く。

 魂魄人形(ゴーレム)と言う存在に、魂を宿らせて転生。生身の人間とは異なる立ち回りで、護ると誓った主人のエリザの為に戦い抜いてゆく。最初は冷めた目でエリザの自己犠牲精神を見ていたマリナが、徐々に感化されて気持ちに変化を見せてゆく辺りも、非常に熱のこもった描写で見応えありでした。

元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。

[著者:野村美月/イラスト:へちま/ガガガ文庫]

 中学時代の『元カノ』とは言いながらも。明らかに未練たらたらだし(お互いに)、破局の原因とかも曖昧に濁されるので、もやもやした気持ちが募って行く。「何か複雑な事情があるな」、とは理知とないるの態度が明確に匂わせているんですけどね。

 二人とも、どうしてもそこを避けて触れたがらないから。話が進んでハッキリ分かったのは、『片方の視点だけでは真実は見えない』と言う事。ないるの側を知って、初めて二人が口を閉ざしていた『本当』が掴めた。まあ当時の状況だと、向き合って素直に言葉を交わす事は難しかっただろうなと。

出会ってひと突きで絶頂除霊!8

[著者:赤城大空/イラスト:魔太郎/ガガガ文庫]

シリアス寄りで長編エピソード突入

 頭おかしくイカレて振り切った後は、シリアスかつ真剣な雰囲気に移行するのが定番になって来ている気がする。と言う事で、絶頂エロスより霊能バトルを多めに盛り込みの、話が次巻へと続く長編回。

 一旦横に置かれていた、『サキュバス王の性遺物』関連が絡みつつある、その前哨戦のような展開。西欧の王女の危機を救った事で事件解決……とは行かず、更に大きな事態へと発展するようなラストの予兆。なんか段々と、晴久達の能力では手に負えなくなっている気もするんですが、今回よりも難敵となりそうな相手にどう立ち向かうんだろうか……。

既刊感想:

月とライカと吸血姫6 月面着陸編・上

[著者:牧野圭祐/イラスト:かれい/ガガガ文庫]

困難続く有人月面着陸計画

 最終到達点である『有人月面着陸』向けて、慌ただしくもいよいよ本格的に計画が動き出す。共和国、連合王国の共同協力活動。宇宙飛行の計画としては、もしかしたら最初にしてラストチャンスな『共闘』になるのかも知れない。それ程、退路が断たれた、一方通行で綱渡りな崖っぷちの状況と言える。

 両国の政治や軍事絡みの事情、思惑が透けて見えて、相変わらず穏やかには行っていない。ただ、僅かずつでも互いに理解し合い始めている感触はあります。一度も失敗が許されない進行の中で、仲違いの決裂にだけはならないで欲しいですよね。

既刊感想:星町編