SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…8

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 近隣国家同士の会合に、問答無用で参加させられる羽目になったカタリナ。魔法省勤務からちょっとだけ離れて、久々に“カタリナにたらし込まれた”仲良しメンバーとの賑やかな交流が見られました。

 ジオルドが仕掛けて、キースとメアリが警戒して、アランが呆れ戸惑い、ソフィアが頑張って入り込もうとして、ニコルが溢れそうな想いを自制する。なんかこう、カタリナを巡っての和気あいあいとした空気感が妙に懐かしいなあ、と思わされました。

 カタリナに宿った闇の魔法・契約書の件は、あまり進展は無し。そもそも古語を読めるようにもっと頑張りましょう、と言った所。

 ただ、大人しかったポチが実はずっとカタリナを守護していた事が分かって、ちょっと「おおっ?」ってなりましたけどね。やっぱりカタリナには強い『闇の魔法』適性があるんでしょうかねえ。

 話は魔法省に戻って次巻へ続く、でした。誘拐、人身売買とかキナ臭い話の調査の為、近隣の街へ出向く事に。闇の魔力の気配もあるようで。やけにカタリナの周囲に絡み続ける、この闇の魔力関連の行方はやっぱり気になりますね。

既刊感想:

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…7

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 魔法省での攻略対象新キャラ達が、カタリナにたらし込まれない! と言う驚愕の事実。もう際限なくたらし込みまくると思い込んでいたので、結構予想外でした。あと、もうこれ以上『カタリナ好き』な人が膨れ上がってもなあ……って気持ちだったので、なんかちょっとだけホッとしました。

 デューイとサイラスは、どうやら本来ゲームの主人公であるマリアに惹かれているらしいです。ただ、それだとゲーム上のカタリナは『破滅エンド』を迎えてしまうわけなんですけどねえ。

 今のカタリナは、「マリアを応援したい」けど「自分の身の破滅は嫌だ」な感情がぶつかり合っている。まあ、現実のカタリナは多くの人から好意的な感情を向けられているので、対人関係で理不尽に破滅する可能性は低いと思うんですけどね。

 ただ、何故かカタリナに発生した『闇の魔力』適性が、悪い方に転がって破滅へ向かう……なんて未来は下手したらあり得そうで。その辺は、先行きが見通せない不確定要素も多くてちょっと心配です。

 護ってくれる人達が付いていてくれるので、今の所はそこまでの危機感はありません。でも、カタリナが宿した闇の魔力と契約の件は、早くその謎の詳細が明らかになって欲しいです。

既刊感想:

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…6

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 新展開の『魔法省編』スタート。元の世界の乙女ゲームの“続編”に沿った展開……らしいのだけど。カタリナが拾った続編の内容情報の出所が、ちょっと気になるなあって感じでした。

 ソフィアの前世が、カタリナの前世と親友同士だった事は既に明かされています。今の世界でソフィアに前世の記憶は無いんですが、ソフィアが所持してる小説の中に、続編情報の紙切れが挟まっていたとか。絶対何かしら関連がありますよねえ。

 まあ、そこを詮索してもあまり詳細は得られなさそうでしたけど。本当に乙女ゲームの続編が実在していて、そこでカタリナが悪役で再登場で破滅してるのか、今の所確かめる術はなさそうですよね。

 結局、カタリナが身の破滅の危機を妙に信じちゃったもんだから、学園時代と同様に奇行に走って周囲を困惑させちゃってます。その突飛な言動で、他人の好意を呼び起こしてしまうから面白いですよね。

 魔法省に入った事で、これまでの学友との付き合いがちょっと減ってしまったのは、仕方ないけど寂しい所。ただ、学生時代より会う時間が減ったからこそ、ジオルドやキースがよりカタリナに積極的に迫っているのは良い傾向かなあと思いました。

 あとは、魔法省の先輩職員たち。変人揃いで面白過ぎですね。これからカタリナとどんな付き合いをするのか、そして新たな攻略候補との関係はどうなって行くのか。続きが楽しみですね。

既刊感想:

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…5

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 今回は、カタリナ以外の登場人物たちについて、これまでより詳しく掘り下げ描いて行く短編集。

 カタリナを取りまく主要キャラ達は勿論、カタリナに触れて人生激変した脇役達や、本編ではあまりお目にかかれない、カタリナの両親やクラエス家で働くの人々の事なども色々と描かれていました。

 主に魔法学園入学以前にさかのぼるエピソードが多かったですね。かつて、カタリナの人柄=『無自覚人たらし』がどれだけの人に影響を与えて来たか? その事実を改めて思い知る事になりました。

 とにかく読んでいて明るく楽しい雰囲気に浸れたのと、あとは「カタリナって愛されてるなあ」って強く感じた所でしょうかね。とりわけ今回は、カタリナ以外の視点での語りが多かったので、それぞれに違った愛情が普段より一層伝わって来ました。

 個人的には、クラエス家の人達のエピソードが印象に残りました。庭師のじいちゃん、メイド頭、母・ミリディアナ、など。多分本編ではなかなか見られない所で、カタリナに良い影響を受けている辺りで「大切に想われているな」と、ほっこりさせてもらえました。

既刊感想:

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…4

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 ゲームで例えるなら『義弟キース攻略ルート』。誘拐されたキースを、カタリナ一行が捜索するエピソードでした。離れ離れで互いに思いは募る。が、カタリナとキースのその想いには、違う性質が含まれていて、ズレが生じているのがちと切ない。

 もっとも、今回の誘拐騒動を経て、キースのカタリナへの想いが一層高まった模様。極限状態で意識がもうろうとした状態ながら、これまでとは違う“積極性”をカタリナに見せてくれたキース君。読みながら「よくやった!」と拍手を送ってました。

 いや~、鈍感なカタリナに気付きを与えてくれる大胆な行為って、実に良いですなあ。ジオルドも負けじと積極的なってるし、その分ニヤニヤシーンも増えてくれるし。普段突飛な行動で散々翻弄されている分、恋愛に関しては逆に初心者なカタリナを翻弄して欲しいですよね。

 あと気になった点は、『闇の魔力』について。予想外に影響が拡散してるなあって感じました。ジェフリー王子やラーナが警戒している分には安心出来そうですが。ただ、カタリナが『闇の魔力を宿すペット』を飼っちゃったんですよねえ。

 カタリナが闇の魔力の源を撃退したのも、その影響で生まれたペットに懐かれたのも、彼女自身に“何か”があるのかどうか。結局あんまり詳しくは触れられませんでしたが、その辺りも気になりますね。

既刊感想: