SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ゲーム世界転生〈ダン活〉01 ~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を〈はじめから〉プレイする~

[著者:ニシキギ・カエデ/イラスト:朱里/TOブックス]

 やり込みを極めたMMORPGの世界へ転生しちゃった主人公ゼフィルス。現実世界で手にした『膨大なゲーム攻略の情報』を武器に、スタートダッシュをキメて誰よりも早く成り上がって行こうとする。

 個人的な印象で、分かる人には伝わるような言い方をすれば、1021種類の職業が存在する『世界樹の迷宮』みたいな感じ? ダンジョン探索、ステータス値の内容、スキルポイントとスキルツリーの要素、職業選択と下位上位職の存在、などなど。世界樹の迷宮をイメージさせてくれる内容ではあったかなあと思いました。

 事前に多くの攻略情報を持っている特権で、テンポ良く危なげなく攻略を進めて行く様子はなかなか爽快です。とにかく、目一杯楽しんでリアルゲームをプレイしているゼフィルスの姿が良い感じなんですよ。ただ、目立ち過ぎな所が不安要素で、変なのに絡まれないかちょっと心配ではありますね。

無駄だと追放された【宮廷獣医】、獣の国に好待遇で招かれる ~森で助けた神獣とケモ耳美少女達にめちゃくちゃ溺愛されながらスローライフを楽しんでる

[著者:茨木野/イラスト:とぴあ/Mノベルス]

 国でただ一人職務を押し付けられていた宮廷獣医の主人公ジーク。「お前などただの獣の世話係の雑用の役立たずだ」と国王から言い渡され、一方的に解雇追放される。

 追い出されて放浪する途中で神獣と呼ばれるケモノを獣医術で救って、獣の国に好待遇で招かれて悠々自適な生活がスタートする。『追放ざまぁチート無双ハレム系』です。とにかく見慣れたお約束要素が色々とくっついてました。

 そもそもジークの場合、途中でチート能力が目覚めるとかじゃなく、もう最初から何故か強いんですよね。積み重ねが無くて何となく最強で「いやそれただの獣医の強さじゃないだろう」的な。

 そこから天井知らずで都合よく強くなって行くんで、ちょっと途中から「もういいかな……」ってお腹一杯になってしまいました。まあこの辺は程度の問題で、ざまぁチート無双も度が過ぎれば『スッキリ爽快』よりも『ウンザリ感』が前に出るような、そんな感じだったでしょうか。

「無能はいらない」と言われたから絶縁してやった ~最強の四天王に育てられた俺は、冒険者となり無双する~

[著者:鬱沢色素/イラスト:pupps/Kラノベブックス]

 魔王(女性)に育てられ溺愛され、魔王配下の四天王(全員女性)からは過酷過ぎる修行を受ける主人公ブラッド=ブリス。四天王に「無能!」と口汚く罵られたもんでブチギレて家出。それが魔王にバレたら困る四天王達はブラッドを呼び戻そうと動き出す。

 実はめちゃくちゃ強いけど、強さを自覚してない系主人公のお話。「俺なんか大した事ないよ」と無自覚に規格外の力を振るいながら、周囲を何度も驚かせるような展開です。もっとも、徐々に「俺って本当は強かったのか」と気付いてくれるので、無自覚さもあまり露骨な嫌味にはなりませんでした。

 あと、ギルド職員達や冒険者達からありがちな疑惑や嫉妬を向けられる事も一切なく、「出来た人達だなあ」なんて思いながら居心地よく眺めていられましたね。

 結局、ブリスは魔王と四天王のお姉さま達とは無事出会う事なくやり過ごせましたが、今後はどうなるでしょうか。教団なる第三勢力や、ブリスの内に潜む『危険な衝動』の謎についても気になる所です。

信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!1

[著者:明鏡シスイ/イラスト:tef/HJノベルス]

 仲間だと思っていた冒険者パーティから突然追放され殺されかける主人公ライト。運よく逃げ延びるも、『奈落』と呼ばれる高難度ダンジョン最下層に強制転移させられ、高レベルの魔物に襲われ絶体絶命。

 その時、クズギフト(才能)と思われていた『無限ガチャ』の真の能力が覚醒、最強レベルの仲間召喚に成功して辛くも生き延びる。そこからライトを陥れた相手に対する復讐劇が始まる……と言ったお話。分かり易い『追放からのチート無双でざまぁ系』です。

 ライトの復讐相手が正真正銘の救いようのないゴミクズどもなので、圧倒的な戦力差で蹂躙する様子はなかなかにスカッと爽快なものでした。本来の復讐相手とはまだほとんど対面していないので、今回は前哨戦のような内容だったかなと。

 これからどうやって憎き相手を陥れて蹂躙するのか、それから未だ謎の多い『ますたー』『サブますたー』についてなど、気になる要素も色々でこの先も楽しみです。

ログインボーナスでスキルアップ3 ~寝て起きて成り上がる~

[著者:あまうい白一/イラスト:村上ゆいち/GAノベル]

 今回で完結だそうです。『ログインボーナス』に関しては、異世界の中のありとあらゆる魔法やスキルが取得対象なので、ネタが尽きたって事では無いと思うんですが。

 コウタがフィオナ王女と直接出会って、周囲に反応する『魔神』を全てソラスが封印して支配下に置く事が、この物語の終着点だったのかなあって感じでした。

 変態性癖揃いな魔神どもは脅威でしたが、別にコウタは積極的に戦いたいわけじゃないし、何らかの宿命を背負っているわけでもないので、魔神騒動がひと段落した所で締めるのは丁度良かったのかも知れません。個人的には、もっと多種多様なログインボーナスの取得と、それに翻弄されまくるコウタの姿を見ていたかったですけどね。

既刊感想: