SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

くま クマ 熊 ベアー2

[著者:くまなの/イラスト:029/PASH!ブックス]

BOOK☆WALKER

 クマ娘、起業家になる。人を雇ってにわとり飼育で卵を生産・販売って、現実世界で言う所の会社経営の発想をあっさり行動して実現させているわけですよ。

 しかも、自分のお金儲けや利益を得るためではなく、自分以外の誰かの救いになろうとしての行為ってのがまた目を見張るものであり、ユナって子の面白い所だなあと。

 個人的には、ユナって『他者貢献の塊』みたいな存在だと思いました。おそらくユナ自身は自覚無しでしょうけど、大抵の場合が自分が救いたい誰かの為に、と言う気持ちが行動の起点になっている。

 言い換えると、ユナが『自分がこうしたいと思って行動した事』が“他人を救う事”に繋がっている、となるのでしょう。こう言った打算なき自由なユナの行為を見るのも、またその影響で誰かが救われる姿を見るのも実に気持ちの良いものです。

既刊感想:

くま クマ 熊 ベアー

[著者:くまなの/イラスト:029/PASH!ブックス]

BOOK☆WALKER

 15歳にして株式投資で生涯資産を築き上げたっぽいのに、抜け殻のように引きこもってオンラインゲームをプレイする日々を送る主人公・ユナ。

 両親との関係も修復不能で切れていて、投げやりで廃れて「なにもかもどーでもいい」精神状態に見えたので、転機とも言える原因不明の異世界転移は、ユナにとっては良い方向に影響してくれたのかなあ、なんて思いながら見ていました。

 現世のユナの状況が、なんか諦めを越えて悟り切った雰囲気を出しているように見えていたせいか、異世界でも淡々とした態度で全然動じないなあって印象でしたね。

 誰がどんな意図でユナに『クマの最強着ぐるみ』を与えたのか、元のゲームの運営が関係しているのかどうか、今の所は全くの謎のままなので特に気になっている所です。ただ、そう簡単には明かしてくれないと思うので、とりあえずはユナの異世界無双生活を楽しんでいたいです。

ゲーム世界転生〈ダン活〉03 ~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を〈はじめから〉プレイする~

[著者:ニシキギ・カエデ/イラスト:朱里/TOブックス]

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 今回の主な目的は、ギルドランクをFランクからEランクへ昇格させる事。とは言え、この辺りのイベントは『初心者卒業』的な側面もあって、昇格戦の条件を満たしたギルドなら“割と合格を約束された試験”だったみたいです。なので、話の内容・分量としては思っていたよりもあっさり目で、それでも各人の見せ場は充分に盛り込まれていて良かったなって印象でした。

 実は本当に一番印象に残っているのって、『ゼフィルスが心底ゲーム世界を楽しんでいる姿』なんですよね。自分が存分に冒険と育成を楽しみ、その気持ちがギルドメンバー達に伝わって、彼女達もダンジョン探索の楽しみや自身が成長して強くなる事への実感を得て行く。そんな姿を「なんかいいな~」と思いながら眺めたりしていました。

 ひとつ不安があるとすれば、ギルドメンバー増え過ぎによる個別での把握のし辛さに陥らないかどうか。今回も結構不安だったんですけど、そこは上手く描いてくれる事に期待したい所です。

既刊感想:

即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。2

[著者:藤孝剛志/イラスト:成瀬 ちさと/アース・スターノベル]

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 『高遠夜霧』って一体“何なんだろう?” 彼の持つ特殊能力『即死』とは一体“何なんだろう?” どこまで行っても、これらの根本的な問題に対して常に疑問符が付きまとう。

 『だってそう言うものだから』と受け流せないのは、元の世界から異世界へと引き継がれた異能力なのが明確であり、今の所は一切の謎でありながら“根本原因は存在する”と明らかにされたから、なのかも知れません。

 夜霧の過去話は、番外編的な位置づけでちょっと語られているだけですが、正直本当にじっくりと追ってみたいのはそっちの方だったりします。どうやって生み出されたのか? 誰が? 何の為に?

 答えが用意されているのかどうか、異世界生活の中でその謎が解かれるのかどうか。これから夜霧の即死効果を見る度に、考え悩まされてしまいそうです。でも、そうやって疑問を浮かべながら夜霧と知千佳の旅を見守って行く事も面白さの内なのかな、と。

既刊感想:

即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。1

[著者:藤孝剛志/イラスト:成瀬 ちさと/アース・スターノベル]

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 クラス単位で異世界転移。主人公の夜霧は、『殺意を向ける相手をもれなく察知』して『相手を“即死”させる特殊能力』を持つ。

 「これ、お決まりの異世界転移チート無双俺つえーの全部乗せじゃん」と思ってた自分が読んでる最初の頃にいましたが、夜霧の『特異性』に触れながら徐々に彼に対する見方と物語の見方が変わって行きました。

 夜霧の『即死させる』能力は、異世界へ強制召喚させた『賢者』から与えられた能力(ギフト)とは別種のモノで、賢者に支配される枠から最初から外れていた事にはずっと疑問を感じていたんですよね。その辺りの事情から、パターン通りの異世界転移モノとは一味違う、この物語ならではの面白さが感じられました。

 あと、かなり無慈悲に端役的な人がばたばたと死んだり、主に夜霧が『殺意を向けて来た相手』を容赦なく殺したりしてるので、描写自体はあっさり目ですが触れる際は少々グロ注意と言った所です。