［著者：大黒尚人／原案・監修：賀東招二／イラスト：四季童子／富士見ファンタジア文庫］
クルツはゲストキャラっぽい扱いなんでしょうかね？ アナザーは達哉やアデリーナ達がメインで頑張って欲しいので、前作キャラはこれくらいの登場頻度で丁度良いのかな。
今回は主にＤＯＭＳとテロ屋の交戦で、達哉にとって初めて戦争に巻き込まれる形でのＡＳ戦闘が描かれていました。しかし、そもそも敵対関係にあるわけでもなく、これまでも“商売”の成り行き上でやりあうに過ぎなかったんですけどね。
ただ、アデリーナとテロ屋のミハイロフとは何か浅からぬ因縁があるようで、そこの繋がりから敵対関係に繋がって行く可能性は大いにありそうです。
三条姉弟は達哉とアデリーナに執着があるのみで、商売上の都合を抜けば敵対するには至らないで済みそうな気もするんですけど……でもまあ菊乃は執着心が異常なので無理かな。
［著者：大黒尚人／原案・監修：賀東招二／イラスト：四季童子／富士見ファンタジア文庫］
明確な敵と言えるような相手とのＡＳ戦闘はなくて、今回も日常パートが思ってたよりも多かったかな。こうやって、これからも達哉が『日常』と『非日常』を普段から楽に往復出来ればいいんですけどね。
妙なテロリスト姉弟に目を付けられたりして、あまり穏やかには済みそうにない雰囲気なんだよなあ。彼女らの行動の意図がまだハッキリしていなんですが、時折描写される裏の顔のキナ臭さは相変わらずで、ＤＯＭＳとどんな形でやりあうかは大いに気になる所です。
あとは、達哉とアデリーナとのギクシャクな件。アデリーナにとって、達哉のＡＳ操縦者としての潜在能力の高さへの嫉妬、だったんでしょうかね。この件を経て、これまでの『型通り』の殻をアデリーナが破るきっかけになれたのは多分良かった事なんだと思います。
達哉とも和解出来た所で、そのあとのアデリーナの感情変化が果たしてどうなるか。達哉は幼馴染みの楓との事もあるし、こちらもだんだん目が離せなくなって来ました。
［著者：大黒尚人／原案・監修：賀東招二／イラスト：四季童子／富士見ファンタジア文庫］
日常パートが割と多め。でも、達哉はきっとそこから離れて行くんだろうなって予感を抱かされる雰囲気。
ただそれでも、この日常は多分戦場に赴くであろう達哉にとってかけがえのないものであり、きっといつか『必ず帰るべき場所』として描かれて欲しいな、なんて思ったりもしました。
達哉がＡＳ操縦者としての適性を見出されて行くほどに日常からは切り離されてしまうだろうし、そうなってしまいそうな状況に戸惑いやら迷いやらを滲ませている様子が印象的だったかなと。
その辺りの適性を巡って、おそらくアデリーナは複雑な気持ちを抱いてるんでしょうけどね。そういう複雑な感情含みな人間関係の見せ方や展開が実に面白いなあって手応えでした。
［著者：大黒尚人／原案・監修：賀東招二／イラスト：四季童子／富士見ファンタジア文庫］
ボーイ・ミーツ・ガールな書き出しは前作と似た感じで。ただ今作の場合は『主人公男子が一般人』で『メインヒロインが軍人』と、宗介とかなめの時とは逆のパターンなのが特徴的な所。
主人公の達哉にはかなめみたいな『謎めいた秘密』は特になく、ＡＳ操縦の潜在能力を無限に有している以外はあくまで一般人な庶民感覚な雰囲気だったでしょうかね。
ヒロインのアデリーナの方は、軍人と言っても正確には『仮想敵を担う訓練部隊の組織』みたいな感じ？で、戦場の最前線を駆ける宗介達のような特殊部隊とはまた違った趣なのかなあと言った印象でした。
懐かしい顔もありの、暴走ＡＳから始まった謎も盛り込みの、序盤からワクワクさせてくれる展開色々で面白かったです。前作以上に多種多様に進化し続けるＡＳ、ＰＳを描く事もテーマのひとつのようで、そちらの描写も楽しみに追って行きたいですね。
［著者：川原礫／イラスト：abec／電撃文庫］
第７層後半戦。キリトが抱えるメインイベントの同時進行は、二つくらいが適量で丁度良い具合かなあ、と。今回の場合は『階層クエスト』と『階層ボス攻略』で、これらが非常にうまく噛み合っていて読み応えも充分な内容で満足でした。
結局、描写の薄かった『キャンペーンクエスト』と『ＰＫ集団問題』の“余計さ”を実感してしまったわけなんですけど。「要らないよなあ」っ言うわけじゃなくて、盛り込むと収拾がつかなくなってグダグダになるから嫌だ、って事なんですけどね。
第８層はキャンペーンクエストが佳境に入るようで、またそっちメインになりそうな予感もしますが、それなら他のイベントは関与させないくらい徹底的に重視して見せて欲しいかなと思いました。
……と、ここからもう何年も続きが出てないみたいなので、ぶっちゃけ100層描き切るの絶対無理でしょ（最初から思ってたけど）。もうこのシリーズは、キリトが『ベータテスト越え』を意味する『第10層攻略完了』で締めていいんじゃないでしょうかね。
