[著者:西尾維新/イラスト:竹/講談社 講談社ノベルス]★
サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄
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西尾 維新 講談社 2008年10月15日
数学の問題みたく例えて言うと、『答』が分かってもそこに至るまでの『解法』が分からん……みたいな? いや、最後の方だけど……遠回しに遠回しを重ねた上に遠回しして、裏の裏の更に裏側くらいにある真相らしきものを語っているような感触で。「あーそういう事かー」と理解して自分に納得させるまでに、幾度か繰り返し読み直さなきゃならなかったなぁ私は(終盤のいーちゃんと彼女の対話全部か)。
まあ自分の気質的に「回りくどくしない方向で“すぱーん!”と真相言っちゃってくれ!」なんて思ったりもするのだけれど、それじゃこのシリーズの旨味が無くなっちゃうってのも充分承知している訳で。
そんな感じの今回の読書感触。気になってたのは唯一点。いーちゃんが兎吊木垓輔の質問に答を出せたかどうか? 一応返答はちゃんとしていたね(これ、濁すかと思ってたので結構意外だった)。もっとも、保留っていうのか持ち越しっていうのか、そんな感じではあったけど。
玖渚友が絡むと、確実に平衡感覚が乱され“揺らぐ”ってのを目の当たりにする事が出来ただけでも収穫かな? それだけどうしようもなく玖渚友に影響され、惹かれ、取り込まれ、離れられず、どれだけ好きであるかがよーく分かったから。
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