[著者:有川浩/イラスト:徒花スクモ/メディアワークス]★★
シリーズ第2巻。前巻は“図書館とメディア良化法の関係”という背景の中に登場人物達を織り交ぜてゆく描き方だったけれど、今回はその逆のパターン。
“登場人物達の事情”の中で図書館内情やメディア良化法関連を語ってゆくというもの。登場人物達(特に今回焦点が当たった小牧、柴崎、手塚)の特徴をより明確に掴む事が出来たのが主な収穫。
他では新館長・江東を象徴する『中立』という言葉により、図書館内部にも『原則派』と『行政派』とがあり、一枚岩ではない事実が強調されていた点が印象の残る。心情的には郁が支持する原則派寄りなんだけど、原則支持が図書館内部で過多なのは偏りではないか? という江東の指摘も確かに一理あるなと思わされたり。その一枚岩でない辺り――原則派だけでなく行政派の姿も図書館内部事情の中で見れた事も収穫だったかなと。
あと、郁と堂上の事は予想を裏切らないベタベタっぷりで、何かちょっと触っただけで手がベタベタになっちまった感触を覚えたのだけど……どーすりゃいいかね? 「とっととくっつけやおらぁ!」って蹴っ飛ばしたくなるな〜。まあ今は成り行きを見守ろうか。
既刊感想:図書館戦争