SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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マリア様がみてる 薔薇の花かんむり

[著者:今野緒雪/イラスト:ひびき玲音/集英社 コバルト文庫]★★★

 シリーズ第29巻。祐巳が祥子と姉妹になってから数えてシリーズも29冊。ここまで重ねて遂にというのかな? 卒業間近で祥子が離れつつある雰囲気は数巻前くらいからあったのだけど、今回ハッキリと明確に“世代交代”の流れを感じ取る事になった。

 大きな要素は勿論祐巳と瞳子の姉妹誕生の儀式。ここに至るまで長かった……ほんっとうに物凄く長かった……。それだけに、最高のシチュエーションでのロザリオ受け渡しの儀式を目の当たりにした時は、感動も喜びも嬉しさもひとしおで。

 ただ、幸せな気持ちではあるのだけれど、祥子との別れが目前に迫っている事実をふと思い出すと、急に寂しさが込み上げてきたりも。祐巳と瞳子が正式に姉妹になった後は、余韻に浸る間もなく三年生を送る会と山百合会でのお別れ会が立て続けに開催され、あっという間に過ぎ去って行ったので、迫る卒業の別れに対して余計寂しさが募ってしまったのかも知れない。

 既刊感想:『マリア様がみてる』感想一覧