SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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繰り世界のエトランジェ 第一幕 糸仕掛けのプロット

[著者:赤月黎/イラスト:甘福あまね/角川スニーカー文庫]★

 第11回スニーカー大賞『奨励賞』受賞作。

 この主人公……こいつはマザコンだ! って思ってたら見事に敵に指摘されてて苦笑が漏れた。ま、透真にしてみりゃ母の消失は一大事だろうから、鼻で笑ってからかったりしたら本気で操られた挙句バラバラにされそうだけど。

 しかし、この母・操への執着心は今後危険が伴って来そうな気もする。まだ漠然となんだけど、ラストがこんなだったからかな? あまり引き摺られ過ぎると透真の身を滅ぼしかねないような、そんな不安感。もっとも、操が今どんな状況であるかはまだハッキリ掴めてないので、これからの透真との位置関係に注目してみたい。

 あとはカタナと『神の手』の事。冥に関しては今回だけで殆ど隠れていた部分が剥がされたけど、カタナの方はサッパリだったから。ダブルヒロインの位置付けでも、冥と比べてかなり出遅れ感があったので(だって透真との掛け合いによる“お笑い要員”な姿ばかりが印象に残ってんだもん)、次のステージでの巻き返しに期待。