SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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地を駆ける虹II

[著者:七位連一/イラスト:光崎瑠衣/MF文庫J]★

 前巻でひたすら鼻につきまくったネイブの欠点が、ちょっとは改善されていたかなぁという印象。まだまだ、エルザとかフレアとかに痛い所を突かれると途端に自己欺瞞な逃げ癖が顔を出し掛けたりするんだけど、今回はそのまま垂れ流さず何とか踏み止まっていた。相手の指摘から逃げずにちゃんと向き合い、自分の失態を振り返る事が出来る……これをネイブの言動の中に見出せただけでも結構な収穫。僅かばかりでも確かな成長の証。

 ストーリー自体は殆ど進んでない。今回はネイブと、彼にとっての過去の自分=スヴァルトを向き合わせる事、その影響によってネイブの成長を促す事が主目的だったかな。スヴァルトは最初ネイブ同様にイタタな奴だったのだけど、エレメントの力に取り付かれても自身の信念みたいなのを見失わなかったので(その信念の良し悪しは別にして)、徐々に見方が変わって行った人物。

 スヴァルトとの出逢いで得た経験を抱いて、彼が最後に残した意志を踏み越えて、ネイブがどう変わってゆくか、何が変わってゆくか、引き続き追ってみたい。

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