SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

火の国、風の国物語 戦竜在野

[著者:師走トオル/イラスト:光崎瑠衣/富士見ファンタジア文庫]★★

 左腕は積極的にぐいぐいクラウディア姫に引かれ、右腕は控えめに遠慮しつつもしっかとエレナに掴まれ、ああそれなのに当の本人アレスは何故二人に引かれ掴まれているのか理由に思い至れない朴念仁……そんな未来が頭に浮かぶ。クラウディアの剣を左手、エレナの剣を右手に携え振るう事、アレスにとって何か深い意味があるのだろうか? なんて考えつつ読むのもまた一興。

 これから激化確実な戦争の中にあって、今後はあまり拝めない微笑ましいシーンかも知れないけれど、たまにこんな一服の清涼剤的な雰囲気もあるといいなと。

 物語は帝国対反乱軍の戦争。王道満載。こういうの、感覚的にそう思ってるだけに過ぎないんだけど、読んでいて「凄く富士見ファンタジア文庫らしい」と思わされた。今回は主人公アレスの初陣を描いただけなんだけど、めちゃくちゃ良かった〜! これからまだ全貌が明らかにされていない反乱軍側も徐々に描かれてゆくらしいので、その辺りも含めて今後の展開が非常に楽しみ。