SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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大伝説の勇者の伝説1 行く先未定の大逃亡

[著者:鏡貴也/イラスト:とよた瑣織/富士見ファンタジア文庫]★★

 満を持して新章開幕。おおー、これはなかなか。前シリーズの最後に“これまではプロローグだった”なんて言ってのけちゃっただけの事はあるなーと思った。

 まず初っ端から「飛ばし過ぎじゃね?」って感じるくらい加速が掛かっててちと驚いた。これまでシオンの影に潜み闇となり裏で暗躍していたルシルやフロワードが表に出張って来たのと、思わせ振りに描き続けていた幾つかの謎について出し惜しみしなくなった辺りがこれまでとは違う感触だったかな? 秘匿された部分をどんどん解明させてゆくような勢いがあって良かった。

 ライナとフェリスのうんざりさせられる脱力夫婦漫才は相変わらず。ただ、今度はそればかりじゃくて、だらけそうになる所でシリアスモードに移行する、と言った具合。ライナは初心を思い返し決意を新たに、フェリスはいきなり強襲受けて絶体絶命。本編突入直後から急転直下な二人の逃亡劇。果たして次は何処へ向かう?

既刊感想:『伝説の勇者の伝説シリーズ』感想一覧