SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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パーフェクト・ブラッド2 恋する魔女と、シアワセの魔法

[著者:赤井紅介/イラスト:椋本夏夜/スーパーダッシュ文庫]★★

 味方組織(アミュレット)が一枚岩でなければ、敵結社(エウプロシュネ)も一枚岩ではない、という実態が見え隠れ。今回のタオみたく『原書』度外視で真っ向勝負を挑み、結果裕樹の成長の糧となるような人物が敵に居れば、多田のように何か含むような危険な要素を孕んでいるらしい人物が味方に居たりとか。

 今はまだ物語をどこへ進めるべきか、用意された選択肢の間で揺れている状況。敵結社との『原書』争奪、雪子による魔道書開発など、提示された幾つかの要素が今後どういう形で物語に影響してゆくのか? 思考を巡らし、想像を馳せながら、続きを待つのが楽しくなってゆく。この展開はなかなか良い傾向で好感触。

 しかし、サーニャは割と目立つ位置に居ながら、あんまり物語に絡まなかったなぁ。裕樹を透華と取り合うって程でもなかったし。そこだけが心残りだった。

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