[著者:赤月黎/イラスト武藤此史/角川スニーカー文庫]★
敵の正体に触れて、打ちひしがれてイタいヘタレ野郎になって、一般人代表な少女(葦原の事ね)に慰められて、心身共に立ち直りを見せたと思ったら、“きみのために正義の味方になりたい”ときたもんだ。
……くっ、色々擦り切れちまった身にはあまりに青臭さ過ぎてこっ恥ずかしいのなんのって。透真の言動ひとつひとつが妙に苛立たしいものであり、若さゆえの未熟さを露呈するものであり、でも輝きや眩しさを放っていて直視出来ねぇよ! ってな具合。纏めてみると「いや〜若いって本当に素晴らしいものだね!」とか、どっかのオッサンのような発言に……。
透真のように臭い台詞で表現するなら、巨悪な『統堂』という血統の糸を完膚なきまでに断ち切る為の戦い。方向は定まり、足場も固まり、準備も整った。あとは『繰糸術』が繋ぐ母・操との因縁の決着へ一直線……となるかどうか? <神の手>と『作品集』の事もあるので、まだ紆余曲折ありそな気もする。