SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ソード・ワールド・ノベル ダークエルフの口づけIV

[著者:川人忠明/イラスト:椎名優/富士見ファンタジア文庫]★★

 シリーズ完結。アマデオには常にベラの加護が付いている。たとえどれだけ離れようとも、生きる“世界”が違うとしても。一見してアマデオだけ都合よく生き残っているようでいて、根底には必ずベラの気配が存在し、ベラの意思が介入している。ただ、アマデオには絶対気付かせないように暗躍していただけの事。

 彼女がそういう振る舞いを見せていたのは……アマデオが策謀渦巻く裏の世界に足を踏み入れないように、表の世界でエビータ姫と歩めるように……そんな意思が働いていたんじゃないかなぁと(問い掛けた所で、はいともいいえとも答えては貰えないだろうけど)。

 アマデオは裏の策謀の果ての真実を知らぬまま、ベラと袂を分かち表の世界へ歩み始める。でも、ベラと交わした“契約”=ダークエルフの口づけが有効であり続ける限り、何時か何処かで必ず二人が再び回り逢う日が来るだろう、と。そんな風に信じていたい。

既刊感想:IIIIII