[著者:鏡貴也/イラスト:とよた瑣織/富士見ファンタジア文庫]★
堕ちた黒い勇者の伝説(1)
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鏡貴也 富士見書房 2007年12月
伝勇伝シリーズの初期も初期、第1期1巻目まで遡り、ずっと語られる事のなかったシオンの空白の2年間――妾腹の子である為に疎まれ続けた彼がどうやってローランドの頂点を極めたのか? その辺りの秘匿されし真実を晒し綴ってゆく新たなエピソード。
とは言っても、内容的には前の短編集『とり伝』とあまり変わらんのだけどね。前は短編がメインで書き下ろしが番外編、今度はそれを逆にして元々シリアスダーク調な書き下ろしをメインに持って来た感じ。
予想以上に初っ端から黒い。凄く黒いよ。そういやミラー、クラウ、ルークの姿って、あまり明確に描かれた事はなかったっけなぁ。どうやらこれから触れて行くのは、表の綺麗な顔ではなく裏の冷酷非道残虐残忍な顔の模様。シオンの“王の地位”と引き換えに、一体どれだれの血が流れるやら。まだほんの上辺にしか触れてないので続きに期待。一方短編は……嫌いじゃない。けど、メインとのギャップが激しいなー。
既刊感想:『伝説の勇者の伝説シリーズ』感想一覧