SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸

[著者:入間人間/イラスト:左/電撃文庫]★★

 大事な心の“柱”がねっとりどろりと粘っこく病んでる物語。とは言え、意外と細部に至るまできちっと計算されて描かれている物語。何か変だな? おかしいな? の違和感をずっと付き纏わせるように伏線を張りつつ、全て解かれた時にその違和感を一掃させる終盤の展開はなかなか鮮やかなものだったなぁと。

 みーくんのつく『嘘』の意味は自己防衛手段か。精神面での大抵の揺らぎは「嘘だけど」の一言で回避出来そう。もっとも、嘘をついた“代償”ってやつもそれなりに痛々しく支払ってるみたいだけどねぇ。

 まーちゃんは……よー分からんかった。簡単にヤンデレとは括れない複雑怪奇な精神状態っぽいし。今は『好き』と『無関心』と『嫉妬』のみが極端に表れ、理性が壊れていて本能のみで動いている、って印象かな。ひとまず巻き込まれた事件は収束したが、次の踏み込みが気になる所。壊れたまーちゃんを抱えて、嘘つきなみーくんは何処に向かって歩き続ける?